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「ねぇ、シエル」
「ん……、なに………?」
シエルは微睡みながらエルヴィドを振り返った。
時刻は22時、夜空には三日月と数多の星が輝いていた。
「ずっと俺のそばにいてよ」
「ぁっ…、待って、エル…っ」
エルヴィドはシエルの服の裾から手を入れ、滑らかな肌に手を這わせた。
敏感なシエルの体は、エルヴィドの指が乳首に少し擦れただけでも快感を拾い、小さな声で喘いだ。
「僕はアル様の所に戻りたい…っ」
「ん〜。それはあまり聞きたくないお願いだなぁ…」
「ひぁっ!!エルっ…!」
エルヴィドがシエルの首筋に唇を当て、何度も吸い付いてそこにいくつもの跡を残した。
エルヴィドは性交前のこういった前戯がとても丁寧だ。
シエルはいつも甘い前戯でトロトロにされてから、エルヴィドに優しく抱かれるのだ。
エルヴィドの唇がシエルの唇に重なりそうになった時、うっとりとした表情で力を抜いていたシエルが、目を見開いてエルヴィドから距離をとった。
「キスはダメッ……!!」
「え………、なんで?」
「初めての…、キ、キスはアル様に捧げるって決めてるから…」
顔を赤らめながら俯き、ごにょごにょと小声で話すシエルにエルヴィドはブハッと吹き出した。
「あははっ!シエルは本当に可愛いね。夢見る女の子みたいだ。それよりヴィクトリアとキスしたことないんだ?」
「き……キスっていうか……、唇が触れたことはあるけど……っ」
「ん?それってキスじゃないの?」
「僕が死なないように水を飲ませてくれただけだから……。口移しはキスに含まれないでしょう?」
悲しそうな顔で話すシエルを不憫に思い、エルヴィドはキスをしようと近づけていた顔を離して、シエルを優しく抱きしめた。
「仕方ないから唇は諦めてあげる。でも、今日もセックスは付き合ってよね」
「うん…。エルの好きにしていいよ……」
ベッドサイドのルームライトを消して、二人は今日もまた濃密な一夜を過ごした。
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