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結局あの後、ミリィの思い通りに行為に雪崩れ込んだアルベールは、隣で眠るのがシエルでないことにため息を吐いた。
たしかにミリィは可愛らしさと美しさを兼ね備え、それでいて体の線も細く、出ているところはよく出ている。
髪質もふわふわで緩いウェーブ、ダークピンクとグリーンの綺麗なグラデーション、どこか妖艶なピンク色の瞳、女特有の柔らかな肌。
極められた房中術により、国もどんどん拡大している超優良物件であることは間違いない。
それでもアルベールが欲しいのはシエルただ一人なのだ。
ずっと求め続けていた物がやっと手に入ったのに、それはあっさりと自分の手の内から消えてしまった。
大きな喪失感がアルベールを襲う。
「ん………、アル、もう起きたの?」
ミリィは自身の裸体を隠すこともなく上肢を上げ、アルベールに体を擦り付けてキスをした。
「ん……んふ………チュク………ぁ……ん…っ………」
二人の舌使いはどんどん荒いものになり、互いの唾液がトロッとシーツに滴り落ちる。
ミリィはアルベールの首に手を回し、唇が離れないように何度も何度も吸い付いていた。
「もうやめだ。俺は用がある」
「えぇ〜、もう終わり?じゃあ、また夜にここで待ってるからね?」
ミリィは名残惜しそうにアルベールから手を離し、部屋の扉が閉まるまで見送った。
「シエル=ランベリクね……。貴方のために消してあげるわ…。待っててね、アルベール」
黒い笑みを浮かべたミリィは脱ぎ捨てていた服を掻き集めて、エルヴィドの城があるティエンヌへと足を運んだ。
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