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(どうして………?)
アルベールが出て言った扉を見つめたまま、シエルは自分がアルベールを拒否したことに驚いた。
今まではアルベールを見ると、胸が締め付けられるような感覚に襲われ、アルベールに触れられることに喜びを感じていた。
だけどさっきはアルベールが触れてくれたのに、あんな近くで見つめあったのに、心も体も『恐怖』という感情に包まれてアルベールを拒否したのだ。
今だに震える体がその事実を物語っていた。
怖い。
アルベールが怖い。
「………好きなはずなのに、どうして?」
シエルはショックのあまり、地下牢での記憶を全て無くしていた。
シエルの時間は、エルヴィドの城からここへ帰って来た時点で止まっているのだ。
もちろんその方が良いのであろうが、その時の記憶がないシエルにとっては自分がアルベールを拒絶してしまう意味がわからなかった。
「アル様…」
アルベールが目の前にいなければ先ほどのような恐怖に包まれる感じはしなかった。
ずっと会いたくて堪らなかったアルベールがすぐそこにいるのに会うことができないもどかしさに、シエルは枕に顔を伏せた。
枕からはほんのりアルベールのコロンの香りがして、シエルは自分がいなかった間、アルベールはここで寝ていたのかなと想像して、顔を綻ばせながら大きく息を吸った。
今の自分ができることはこれくらいしかない。
アルベールに早く触れたい。
枕に顔を埋め、アルベールの匂いに包まれながら、シエルは自身の性器を握り、クチュクチュと動かした。
***
夕月様にイラストいただきました(^^)♡
上目遣いでとても可愛いので是非イラスト欄の方も覗いてみてください(^-^)
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