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「ふ………くちゅっ!」
アルベールが朝食をシエルに食べさせようと、脇に手を入れて座らせると、シエルはムズムズと顔を顰めてくしゃみをした。
シエルの体はひんやりとしていて、微かに震えている。
「寒いか?」
「わか……なぃ……」
アルベールはなるべく声のトーンを和らげて聞いたが、シエルの感覚はずっと服を着せていなかったために麻痺して、今寒いかどうかも曖昧なようだった。
アルベールはシエルに毛布をかけて部屋を出て行ったが、5分と経たないうちに戻ってきた。
周りで何が行われているか全く分からないシエルはビクビクと体を震わせるが、隣にアルベールが座った気配がした瞬間、背中から何かを掛けられた。
「それ着てろ。何も着てないよりはマシだ」
シエルは手探りで掛けられた服を身につけ、アルベールの気配がある方に体を向けて頭を下げた。
「あ……、ありがと……ございます…」
「あいつのとこではもっと良いもの着せてもらってたんだろ」
「でも……嬉しぃ…です…」
アルベールは憎まれ口を叩くが、シエルは気にせずに嬉しそうに服の裾を掴み、にこにこと微笑んでいた。
「ほら、食うぞ。口開けろ」
「んっ……」
アルベールはシエルの小さい口に、少し乱雑ではあるが、ヨーグルトとフルーツをスプーンに乗せて押し込んだ。
シエルはもぐもぐと咀嚼し、もっとと強請るようにまた口を開いた。
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