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部屋にアルベールと自分以外誰もいないことを確認し、エルヴィドは息を吐きながらソファに腰掛けた。
「君もこんなに警戒しなくたっていいじゃないか。隣国同士、仲良くしない?」
「先に裏切ったのはあんただろ」
「あの事は本当に悪いと思ってる。とりあえずシエルの話だ。彼は今どうしてる?」
この状況で同盟の話を持ちかけても埒が明かないと悟ったエルヴィドは、一番気になっているシエルの現状を尋ねた。
「おまえには関係ないだろう?」
「教えてくれ。シエルに酷いことしてないだろうな?食事は与えてる?風呂は?服は着せてやってるか?」
心配そうにシエルのことを尋ねてくるエルヴィドに、アルベールは苛立ちを覚えてテーブルを蹴り飛ばした。
テーブルの上に置いてあったティーカップが床に落ち、音を立てて割れ、部屋に静寂が戻った。
「お願いだ。シエルに一目でいい。会わせてくれ」
「そんな許可下ろすと思うのか?」
「君に不利益な事はしない。ただシエルの幸せを確認したいだけなんだ」
「不利益な事はしない、だと…?クライトマン、おまえシエルに手を出しただろうが」
「前はね……。今後はシエルが望まない限りするつもりはないよ。だから…」
「信じられるわけないだろう。帰ってくれ」
アルベールはもうお開きだと手を叩いて部屋を出た。
「ヴィクトリア!!………また来る」
エルヴィドもここで諦めるわけには行かず、また改めて訪ねることにして渋々ティエンヌへと帰って行った。
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