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二人が下町に通うようになって五年が経ち、世界の階級差別が徐々に大きくなっていった。
変わらず一等地に住むジューベル家は周りの貴族には白い目で見られ続けているが、ジューベル夫妻が我が子に制限をかけるようなことはせず、二人はのびのびと自由に過ごしていた。
「バルト、行きましょう!」
バルトは12歳、レベッカは17歳になった。
美しい母親の血を受け継いだレベッカは5年間で体は女性らしく成長し、下町に行くとしばしば柄の悪い男に絡まれるようになったりもした。
しかしそんな彼女にもボーイフレンドが出来たのだ。
「ゼル!会いたかった…!」
「レベッカ!」
レベッカが付き合い始めたのは下町に住む小さな町医者の息子であるゼルだった。
ゼルはレベッカと同い年で、ずっと一緒に遊んでいた仲間だった。
いつしか二人は想い合い、一年前にようやく実を結んだのだ。
バルトは姉のレベッカが思い人であるゼルに会うために下町へ下りる回数が増えたこともわかっていた。
少し寂しい気持ちはあったが、一等地で見せる暗い表情とは違い、幸せに溢れたようなレベッカの笑顔にバルトも嬉しくて、バルト自身も以前より下町に顔を出す回数が増えていた。
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