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カルバン王が帰国したことを確認し、バルトは姉の腕を引っ張り自分の部屋へ入って鍵を閉めた。
「姉様!あんな事されてるなんて僕知らなかったよ!!どうして父様や母様に言わないの?!」
「バルト………」
「あんなおじさんに触られて気持ち悪くないわけないよね?!父様ならなんとかしてくれるよ!!ちゃんと酷いことされてるって言わなくちゃ…!」
「いいの、バルト。いくら私達が貴族でも、王様なんかに逆らったらお終いよ。あれくらい平気だから、ね?」
「でもっ……」
レベッカはまだ何か言いたげなバルトを宥めて自室に戻っていった。
しかしカルバン王の来訪日は日に日に増えてゆき、カルバン王が来訪した日の夜にはレベッカの部屋から啜り泣く声が聞こえていた。
バルトは何度も両親にそのことを伝えようとしたが、その度にレベッカに邪魔をされて結局言うことはできなかった。
そしてある日、王はレベッカが抵抗しないのをいいことに、一度だけ部屋に上がり込んだ。
その日からレベッカの笑顔が消え、下町にも顔を出さなくなったことをバルトは鮮明に覚えている。
12歳の幼いバルトにはその日何が起こったかなんて想像もつかなかった。
しかし今ならわかる。
姉から笑顔が消えた理由も、
突然下町に行かなくなった理由も。
レベッカはカルバン王に女としての全てを奪われたのだ。
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