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二人が結婚して半年が経ったある日、ジューベル家にある一通の手紙が送られてきた。
送り主の名前が書かれていない、真っ白な封筒。
「きゃぁ!!」
「どうした、レベッカ?!」
「こ……、これ………」
その手紙に書かれていたのは、
【今宵、奴隷として貴女を迎えにいきます】
そしてその手紙はレベッカに宛られたものだった。
何か嫌な気を感じ取った両親はゼルとレベッカを離れに隠し、今夜だけ三人で暮らす家族を偽ることにした。
そして夜の八時、
ピンポーン……と静寂に響くインターホンの音とともにジューベル家を訪れたのは、三年前にレベッカの身も心もボロボロにした張本人であるカルバン王であった。
「ジューベルご夫妻、これはこれはお久しぶりです」
「カルバン王……、お久しぶりにございます」
にやにやと笑うカルバン王を前に、両親は作り笑いを浮かべながら深く頭を下げ挨拶をした。
「今日はどういったご用で?」
「昼に手紙が届いただろう?奴隷としてレベッカを引き渡せ」
「自分の子を易々と奴隷なんかとして渡すわけがないだろう!!」
父がそう抵抗した瞬間、パァンッという銃声音と共に父親が倒れ、口から血を吹き出した。
「キャアーーー!!!!」
「父さん!!!」
バルトは母親と共に父へと近付こうとしたが、カルバン王は銃口を母に向けた。
「レベッカの居場所を吐け。大人しく出さないとお前も撃つぞ?」
「………バルト、逃げなさい」
「え……?」
「早く!!!」
母は王に聞こえないよう小声でそう言い、バルトは隙を見て全力で家の外へ駆け出した。
パァンッ───
庭の茂みに身を隠したとき、二回目の銃声が響いた。
バルトは全てを察して、声を出さずにボロボロと涙を流した。
家の明かりが付いたことで、王が家中を探し回っていることは明白だった。
そして王は本家を出て、倉庫のように見える離れに目を向けた。
バルトは両親が命懸けで守ってくれたものを壊すわけにはいかないと、王の目をかいくぐって本家に戻り、急いで地下から拳銃を取り出した。
そして目を細めて王に焦点を当て、銃の引き金を引こうと指をかけた瞬間、フッと意識が途切れた。
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