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出陣して約1ヶ月、
ペリグレット軍はカルバンの小規模要塞を次々と制圧し、とうとうカルバンも軍をあげて対抗し始め、大きな戦争が始まっていた。
報告を受けたエルヴィドは、約三分の一のティエンヌの兵にペリグレットへ加勢することを命じた。
「エル〜!今日はアワアワの日?」
何も知らないシエルが、ひょこっと部屋に顔を出した。
エルヴィドは、アルベールと事前に考えておいた配置表を渡し、兵をチームに分けて行動するように言い渡した。
そして、不安そうにエルヴィドを見つめるシエルの前にしゃがみ込んだ。
「遅くなってごめんね。今日はアワアワの日だけど、俺は一緒に入れない。1人でも入れる?」
「うん…。何かあったの?」
「シエルは何も心配することないよ。落ち着いたらまた部屋に行くね」
兵がばたばたと走り回る様子を見て、シエルはより一層不安そうに眉を下げた。
エルヴィドはシエルの頭を撫でて、シエルが部屋に戻るのを見送った。
おそらくシエルは兵が動いてることで、何か良くないことが起こっているのだと察しているのだろう。
現にペリグレット軍は数多くの要塞を堕とし、兵士の数もグンと減っているはずだ。
「困ったな…。うちの兵を危ないところへ送るのはさすがに…」
エルヴィドは椅子に腰掛けて、戦争の勝ち筋を考え込んだ。
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