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俺の秘密・1
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俺、窪田白雪は至って普通の日本男児だ。
市内の病院で3000gで生まれた俺は、よく泣きよく笑う天使のような子供だった。
『あまりにも可愛いもんだがら、つい女の子みたいな名前つけちゃったのよねー。ほら、実は女の子でしたって言われそうな気がして』
母親がそんな馬鹿なことを考えるくらいに可愛かった俺は、花よ蝶よと何不自由なく大切に育てられた。
しかし、そんな俺には一つ誰にも言えない秘密があった。
***
私立黒ヶ丘学園
それが俺の通う学校。
市内にあるあまりレベルの高くない共学高校だ。
駅から徒歩5分という交通の便の良さからこの学校を選ぶ人、制服のデザインに惹かれる人、あまり勉強が得意ではない人、校則の緩さを知ってくる人、まぁ生徒の層は厚い。
真面目そうな委員長タイプから、あまり素行のよくない不良までよりどりみどりだ。
そんな学校での俺の扱いは『大人しい不良』だった。
髪は染めてるしピアス穴も開いているけれど、自分から喧嘩を売る様な事はしない。
喧嘩を売られることはたまにあるけど、別に俺は喧嘩好きじゃないし、そもそも自分のことを不良だなんて思ったこともない。
授業だって真面目に出席してる。
...まぁ、だいたい寝てるけど。
そんなだから、初めこそビビってたクラスメイトも今では普通に接してくる。
この高校に入学して早1ヶ月、一見俺の高校生活は悪くない様に見えた。
「白雪ちゃん、おはよ」
「白雪って呼ぶな」
朝、教室内で話しかけてきたのはクラスメイトの楠木真斗(クスノキ マサト)。
席が前後というだけで俺に付きまとってくるピンク髪のチャラ男だ。
「しらゆきって名前可愛いのに。お姫様みたいで」
「ぶっ殺すぞ」
俺は自分の名前が好きじゃない。
母さんは赤ん坊の頃の俺が可愛くてつい名付けたなんて言うけど、男が15歳になれば可愛さなんて微塵も残らない。
どう考えても俺は『白雪』って名前が似合う面をしていない。
しかし、真斗は俺が嫌がっている事を知りながらわざわざ毎回名前で呼んでくる。
嫌がらせにしろ程度が低すぎるだろ。
「俺は白雪って名前結構似合ってると思うけどなー」
「気持ち悪い。人の心を読むな」
「考えてる事顔にですぎ」
ケタケタと笑いながら、真斗は俺の前の席に座る。
...こいつと席が前後ろなのが、俺はどうしても受け付けない。
「白雪って呼ばれるのが嫌ならあだ名でもつける?」
「...はぁ?」
「雪ちゃんとか、しーちゃん、とか」
「却下。ふざけんな、だれが雪ちゃんだ」
「だって白雪ってどこを取っても可愛くなっちゃうんだもん」
男子高校生が、もんとか言うな気持ち悪い。
「つか、あだ名なんていらない。普通に苗字で呼べよ」
「白雪は俺のこと真斗って呼ぶのに?」
「今日から楠木って呼ぶ」
「.....雪ちゃん頑固ー」
「...ピンク野郎髪の毛むしるぞ」
そんなくだらない会話をしているうちに、担任が教室に入ってきた。
ホームルームの始まりを知らせる鐘が鳴る。
「おはようございます」
朝の挨拶から始まった担任の話は、主に昨日終わった中間考査のことだった。
「高校にあがって初めてのテストはどうでしたか?今日から答案用紙が返ってくると思いますが、しっかりと結果を受け止めてまた今日から勉学に励んでください」
簡潔に終わった担任の話を受け流しながら、そういえば...と思う。
昨日までの一週間、久しぶりに勉強ばかりやってた。
高校生になって初めてのテストってこともあって今回は割としっかり勉強したんだよな。
(...一週間。一週間かぁ....)
ある事が気になった俺は、自分の胸元を見下ろす。
軽く着崩したワイシャツの中にTシャツを着ている為肌が透けることはないが、何となく気になる。
そして一度気にしてしまえば、途端にムズムズと乳首がむず痒くなる。
ヤバイな、と俺は眉間に眉を寄せた。
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