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小日向
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「あーあれだ、なんだっけなー…あぁそうだ球技大会あっからやりたいやつ決めろー」
周りがざわざわとしだす中俺は机に頬ずえをついてぼんやりとしていた。
こういう団体行事は苦手だしどの種目をやっても一緒だ。
どうせならいてもいなくてもいい種目がいい…。
「なぁ小日向何出る?」
「俺は…」
「一緒に出ようぜ!俺はな」
「柏木、サッカー出ね?」
小川に話しかけられた柏木は他にもサッカーに参加するらしい数人と笑いながら話していた。
俺はまた視線を戻してぼんやりと机を眺めていた。
柏木がいつもそばにいて、他愛もない話をして、笑いかけてくれて、それに少しずつ慣れてきてしまって忘れかけていた。
…俺と柏木じゃ住む世界が違う。
サッカーが嫌なら違うのにすると言われて結局俺もサッカーに参加することになった。
直接は聞いたことはないが多分柏木はサッカーが好きなんだと思う。
実際うまいし何よりその実力を皆に頼りにされている。
別にどの種目でもよかったし、何より柏木が楽しめれば俺はそれでいいと思った。
だから、俺の方をチラチラ見ながらコソコソと話をしている数人にも俺は気づかないフリをした。
ある日の昼休み、サッカーのメンバーでミニゲームをやるから来るかと誘われたけど俺は断った。
「あれ?圭ちゃんは?」
「サッカーやりに行くから先食べてていいみたいだ」
「ん、じゃ先食べてるか」
それからも昼休みの度に柏木に誘われたが参加はしなかった。
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