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小川
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「は?おまっ…ば、ばかじゃねぇの?付き合ってるとか、まず俺ら男だし!なっ?」
「…多分誤魔化しきれてないぞ柏木」
「え」
わかりやすく動揺する柏木を見て小日向も隠しきれないと思ったらしい。
「てことはやっぱ付き合ってるんだよな…?」
「ああ」
「そっか…」
やっぱそうか~、いざこうやって聞くと面食らうもんだな…。
「なんて思った…?」
「…分かんねぇ」
率直に思ったのはそれだった。
男同士なんて初めてな上にそれがクラスメイトで友達で…。
男同士に抵抗がないといったら嘘になるけれど、それ以前に頭の中でまだ整理ができなくて少し混乱していた。
「そっか…」
それからしばらく沈黙が流れて重苦しい空気が流れる。
なんだよこの空気、めっちゃ重いんだけど…。
あぁやっぱ聞かない方がよかったんかな~。
「小川」
沈黙を破ったのは小日向で、真剣な表情でじっと見てきた。
「他の奴らには黙っててほしい」
「え?まぁそりゃ言うつもりなんてないけど…つか、知ってるの俺だけ?」
「陸と奏と…俺の姉貴だよな?」
「あぁ」
「分かった…。あーじゃあ俺帰るな。ごめんな!答えずらいこと聞いちゃって」
それから送ってくと言う二人の申し出を断って俺は帰路についた。
翌朝、教室に着くとちょうど柏木と小日向もやってきた。
二人と目が合って軽く挨拶を交わしたがどことなく気まずい空気が流れた。
「あ、そういや週末カレー作るから小日向夕飯呼んでこいって母さん言ってた!泊まり来る?」
「そうだな。ご馳走になりますって伝えといてくれ」
「おう!」
…あれ、小日向ってこんな優しい顔してたっけ?
柏木からは好き好きオーラ出まくりなんだけど…。
「お前らってさ」
「ん?」
「案外分かりやすかったんだな…」
「へ?どゆこと?」
「付き合ってます感出まくりだから気をつけろってことだよっ」
小声で言えば二人とも顔を赤くしていた。
「…しょうがないだろ。好きなんだから…」
ガシガシと頭を掻きながら照れくさそうに言う小日向に、柏木の顔はリンゴみたいに真っ赤に染まった。
「うん、そうだよな。なんかごめん!そんでごちそうさん!」
何これ、こっちまで恥ずかしいんだけど!!
あぁもうさ、とことん幸せになってくれ!
…あぁ、恋したい。
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