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俺がいるから
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うっすらと浮上していく意識の中、かすかに誰かの話し声が聞こえてきた。
ぼんやりとする視界のままそっちの方を向けば、姉貴と小日向が話しているようだった。
「おはよ…」
「あ、起きた起きた」
「おぉ…つかなんで姉貴いんの…」
「朝ご飯できたから呼びに来たのよ。お母さんが涼も食べてけって」
「ん、今行くわー」
「はいはい~。あ、朝からおっぱじめないでよね?」
ニタニタと気持ち悪い笑顔を浮かべて姉貴はリビングへと消えていった。
朝からしねーし!つか何言ってんだあのバカ姉貴!
「ほんっとあんな姉貴でごめんな?」
「面白くていいお姉さんだと思うけどな」
「えぇ…そうかぁ?」
「俺は兄弟いないから、羨ましい」
そう言った小日向の表情が寂しげで、俺が初めて小日向の家に来た時に見せた表情と被って見えた。
そうだ、こういう時に少しでも助けになりたいって思ってたんじゃんか。
気づけば俺は小日向を抱きしめていた。
「お、俺が!いるから…だから、その」
「…うん、ずっとそばにいてほしい」
強く抱きしめられて、耳元で囁かれたその言葉が嬉しかった。
本当だったら小日向みたいにすっぽりと抱きしめたい、抱きしめるというよりは抱きついてるみたいになってるし。
つか、俺が安心させられてどうすんだっつの…。
「柏木、キスしたい」
「へ?!あ、えと、少しだけ、んっ」
言い終わる前に少し乱暴に唇が重なった。
唇の感触を確かめるように何度も角度を変えて口付けを交わした。
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