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1-5 また、明日
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「問題用紙と解答用紙を出せ。
今から解説を始める」
全員が席に着いたのを確認し、授業は再開。
順を追って、問題ごとの正解率や凡ミスを交えながら進められる。
あぁ、くそっ
すでにうとうとと揺れている頭。
俺は衝動的に、その呑気な背を蹴り飛ばしたくなる。
八つ当たりと分かっていても。
努力が報われない、この世界への苛立ち全てを。
その恩恵に預かる、この背にぶつけてスッキリさせたくて堪らない。
頭が揺れる度、癖ひとつないストレートの茶髪も右へ左へと流れる。
教師は、大柄で目につく居眠り常習犯を注意しようともしない。
菊川がこのクラスを支配しているお蔭で、他のクラスにはない穏やかで静かな授業が進められるからだ。
表向きは、平等を謳い文句にした校風ではあるものの。
現実は、格差が歴然としていて埋まりようがない。
支配欲の強いαが複数いれば、教室はテリトリー争いで荒らされる。
βは、教師よりも強いαに従い。
Ωは、優秀なαを取り合う。
学年によって、学期途中でのクラス換えもざらに起きるくらい。
破綻を前提にした校風は、建前が過ぎて気持ち悪い。
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