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3-8 お花畑
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「一体なんのつもりだっ」
怒りに任せて、制服に身を包んだその背中を蹴飛ばす。
藍色のブレザーに靴跡がハッキリ残った。
やり返されるかと咄嗟に身構えたのに。
振り向いたコイツは、何事もなかったかのようにポンポンと俺の頭を宥めるように優しく叩いただけ。
「桜宮、悪いようにはしないから今は黙って」
教室では見せたことがない、真剣な声と表情。
不覚にも、ドキリとさせられる。
くそっ、いつも寝てるかヘラヘラしてるくせに。
眠り王子とか言われてるくせに。
「母さん、菊川なら相手は俺でも良いはずだ」
「倭人は黙っていなさい。
今回の話は、飛鳥に番が必要だから受けたんだ。
倭人にはまだ選ぶ時間がある」
「姉貴にも時間はあるだろう。
それに、相手のことも考えろよっ」
部屋に満ちたフェロモンが、動く。
場を支配する社長のフェロモンに、菊川のフェロモンが牙をむき掻き乱す。
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