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3-13 お花畑
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なんなんだ、コイツは。
「学校と、えらい違いだな。
毎回首席のこの頭は、教科書以外のことは入ってないのか」
グシャグシャに掻き回してやろうと、両手で菊川の頭に触れ。
柔らかな手触りに、不覚にも優しい指の動きになってしまった。
コイツの毛質、クセがなくて気持ちいいかも。
αは、プライドが高いから、頭を触れば怒って離れるかと思ったのに。
菊川は、驚きはしても体勢は変えない。
じっとまっすぐに俺を見下ろしたまま。
されるがまま。
俺は止め時を失い、そのまま触り続けてしまう。
「Ω向きの恋愛小説でも読んでるのか?
お前の両親に感化されてるのか?
今回はそのどれにも当たらない。
契約の番、だ。
わかったら、さっさと飛鳥さんの・・・」
「ダメだっ」
「当事者である俺が良いと言ってるんだ。
だいたい、お前だって俺を好きな訳じゃないだろう?」
むしろ俺は、お前が嫌いで対抗意識むき出しだった。
ーーー相手には、されてなかったけど。
生まれ持ったαの資質を享受し、努力もせず、真剣にもならないお前は目障りだった。
生まれてすぐ、αを装うしかなかった俺が望んでやまなかったものを、持っているくせに使わないのが許せなかった。
ホント、コイツ絡みで良い記憶がないな。
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