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3-16 お花畑
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顔を付き合わせて告げた言葉に。
菊川の顔があからさまに緩む。
くっきり二重の垂れ目から、緊張の色が消えていった。
それじゃあ、とっとと番になるか。
俺は、せっかく定まった覚悟を実行に移す。
ほっと力が抜けた菊川の身体を引き寄せるために、ネクタイをつかんだ手に力を込めた。
「おい、あぶな、んん!?」
降りてくる顔に狙いを定め、油断しきった唇を塞ぐ。
冷たいけど柔らかな感触。
まさか、コイツとこんな関係になるなんて。
αを装っていたときは、あれほど目の敵にしていたのに結構平気なもんだな。
お互い目を開けたままのキスは、上手くいかない。
歯がぶつかり、すぐに離れた。
「な、何するんだよっ」
「それは、こっちのセリフだ」
こっちが覚悟を決めたのに。
首まで真っ赤にして狼狽えるなよ。
壁際から飛び退き、唇を押さえてあたふた。
コイツ、番の意味、わかってる、よな?
なんか、不安になってきたぞ。
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