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9-11 特別棟
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松野はヤマの拘束を解き、その背を俺に向かって押してくる。
ヤマ本人が俺担当になるのは変わらずか。
ヤマから伸ばされた手を取り溜め息。
初日開始、まだ授業前の段階から、コイツはやらかしてくれるな。
「時間がかかりそうならそのまま帰る。
倭人さんのスマホから松野に連絡する」
「わかった」
「かなちゃん、よろしく~」
大元の原因を押し付けることに成功し気軽な二人はヒラヒラ手を振ってくる。
荷物を机の中に入れ、すっかり軽くなった二人分の鞄を肩に引っ掛けまた溜め息が出てしまった。
まぁ、身内の被害で済んでいるだけマシか。
俺と一緒に登校したら、こうなることくらい予想も出来ていなかったのか。
手を繋いだヤマは、大人しくついてくる。
固まったままのクラスメートの間を縫って、教室を後にした。
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