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つまらない日常
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「俺、車で来てるから送るよ」
なんて返せばいいか分からない。
他人にこんなに優しくされることなかったから。
「大丈夫。俺たち歩けるから」
光が答えた。
男は少し迷った表情をして俺たちを見てから、うんと頷く。
「わかった、じゃあこれ使って。傷口洗いなよ」
ぽんっと消毒液とティッシュを握らされ、男は去って行った。
「え、何者…?」
「消毒液なんか普段持ち歩くか?」
「歩かない」
「「……ぶふっ」」
思わず吹き出して笑った。
痛みを忘れて思いっきり笑った。
痛みと一緒に、触れられた手が熱くなったことも忘れようと、笑った。
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