アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
重なる偶然
-
「ここ?」
「うん。ありがとうございます」
「こちらこそ。また会ったら今度はお菓子用意しておくね」
「…うん」
車の中から手をふり、笑顔で見送られる。
それに答えるように少しだけ手をふり、アパートへ。
エレベーターの中、別れ際の顔を思い出しただけで心臓がうるさい。
はやく、はやくおさまれ…。
「ただいま」
「弥月遅い。何してたの」
「ちょっと寄り道」
「また彼女と?それとも光くん?」
「…光」
ご飯を食べながら俺に詳細を聞く葉月。
光と答えれば、全く信じていない目を向けられる。
葉月はこういうことにすごく敏感だ。
「…昨日、卵譲ってくれた人」
「ふーん。いい人?」
「たぶん」
たぶんなんかじゃない。すごくいい人。
けど、優しい人なんて言いたくなくてたぶんって答えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 65