アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
重なる偶然
-
あれからしばらく経ったけど、黒瀬さんには会わなくなった。
おつかい頼まれてスーパーに行っても会うことはなくて、まあそんなものかなって思ってた。
「由美、今日は早苗ちゃんと光と4人で遊ぶんだろ」
「そーだけど、ちょっと寄り道していい?」
学校帰り、4人でカラオケに行く予定なのに俺の手を引っ張る由美。
踊り場に連れられ、真剣な目をする由美を見つめる。
これは…「別れよう」もしくは「他に好きな人ができたの」そんな感じかな。
今まで何人と付き合ったか覚えてないけど、俺と付き合うとみんなそう言って居なくなっていく。
「あたし…他に好きな人ができたの」
「うん」
「だから…ごめん!別れてくれない?」
「…いいよ」
即答すれば、由美は口をぽかんと開けて驚いた。
そしてすぐに口を閉じて目を伏せる。
「そ…か。弥月にとって私ってその程度だよね」
唇をぎゅっと噛んでる。
「弥月って、私のこと好きだった?」
「…うん」
「うん。わかった…じゃあ、今日のカラオケ最後にする!今日最後に…別れよ」
今じゃなくて今日を最後にする意味は全然わからないけど、どちらでもいいからいいと答えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 65