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お礼を
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と、言われてまたお邪魔してしまった。
「実は、またケーキもらっちゃって」
「誰からもらってるんですか?」
「そこの商店街のおばちゃん。小さい頃からよく可愛がってくれてる人なんだ」
「へぇ。なんかいいですね、そういうの」
黒瀬さんってやっぱりいろんな人から好かれてるんだ。
ケーキと紅茶が用意されて、召し上がれと言われてパクッと一口。
「ん〜〜うまっ」
「でしょ。俺もこれお気に入り」
「美味しいです!…て、これじゃあ俺がいい思いしてるだけで…俺はお礼をしたいのに」
「俺と一緒にケーキ食べながら話ししてよ。それがお礼」
「でもそんな」
「俺がしてほしいこと。ダメ?」
「…ダメじゃない…です」
「よかった」
この人はずるい。
俺はちゃんとお礼をしたいのに、はぐらかされてしまう。
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