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俺ばっかり
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俺の話し方はぎこちなくないかな。
午後の授業を受けてるあいだ、もしかしてキス・・・・してしまったことを晴間が気づいていたら、どうしようって考えてから、頭の中はそればっかりで。
しかもさっきまでのえろい晴間が時々バッっと脳内でフラッシュバックされるから、もう大変。
午後の授業はひたすら南無阿弥陀仏なんちゃらってずっと呪文を唱えて、股間を沈静化させることに必死だった。苦行だ・・・!!
それに沈静化されたからといって、こんな家かえるまで発散できない性欲を抑えながらバスケするなんて冗談じゃない、またすぐ勃っちゃいそうだし、なにより集中出来ないに決まってる。部長にメールして今日は体調不良で部活を休むことを伝えた。いっつも真面目にやってるんだ。一回くらいいいだろ?
あー早く家帰ってヌきたい。
でも晴間を迎えにいく時、さっきのキスの不安がだんだん大きくなって、股間のことなんて頭からいつの間にか吹っ飛んでた。
廊下を歩く晴間の方を盗み見ると・・・・あれ、なんか機嫌良さそう・・。さっき俺とやらかした事はさすがに覚えてるだろうけど、キスのことは・・気づいてなさそうだ。
・・そうだ
・・・・さっき、俺コイツにキスしちゃったんだ・・・・
そう自覚すると無性に照れくさくなってくる。らしくない。無駄にキョロキョロしちゃって、挙動不審かよ。恋する乙女かって自分にツッコミを入れる。きもいきもい。
晴間はどんな気持ちでいたんだろう、あの時。ちょっとはドキドキしてくれたかな、なんて。
そういや、なんで倒れたんだろう。体調悪かったのか もしかして。まあ。眠そうではあったけど。
でもその話をするためだけに さっきのことを正面切って話す勇気はない。
俺と晴間は同じ中学だけあって家はそれなりに近い。お互いの家まで歩いて10分くらいだろうか。そんくらいだし俺の家の通り道に晴間の家があるからいっつも一緒に帰れるときは俺が家まで送ってくような感じになる。役得です。
晴間の隣を歩いて帰る。
さっきまでの緊張が嘘のように思うくらい、いつも通りに戻ってきた。
良かった。いきなりあんなことしちゃって、関係が壊れたら・・とか考えてたけど心配なさそう。なんかあれだ。コイツ無駄に器でがいよな。肝が据わってるっていうのか・・そう、男らしい。こんな可愛い顔してるくせに。
「おっし、じゃあまた明日な。明日は帰り待っててやるから、ちゃんと部活でろよ?」
「はいはーい出ます出ます!あ、そうだ。今月末バスケの試合あるんだけど、晴間見に来ない?」
「は?!俺が?やだよ。どうせお前目当ての女の子で客席、溢れかえってるんだろ。俺が混ざってたら、うくだろー。確実に。」
「え?そんなことないって!!あーじゃあ、あいつ連れてくればいいじゃん!あの、昼前の俺らが空き教室行く前に、晴間に声かけて・・・た・・」
・・・・・・しまったあああああああ!!!自ら昼の話を持ちかけるとか!!!ミスったどうしよ。ああもう俺の馬鹿。馬鹿。馬鹿。せっかく何事もなかったように話せてたのに・・!!
どんな顔すればいいのか分からなくなって、思わず俯く。自分で墓穴掘ってほんと、・・・・。
「・・・・なに、かっきーのこと?バスケ興味あんのかなーまあ聞いてみるわ。」
「・・・へ、あ、そか。じゃ・・あよろしく」
「おー。じゃ、な。」
それだけいって自分ちの鍵を取り出して家に入っていってしまう晴間。
・・・・・それだけ?ていうか、なんか・・・そっけないっていうか。いや、つっこまれても困っちゃうんだけど。それは困るんだけども、・・なんか。こんなにドキドキして慌てふためいてるのは俺だけ・・・?なんだろうか。
・・・・それもそうか。
晴間もドキドキしてたら、だって?ふざけてる
何、勘違いして うかれてたんだろ。
晴間の中ではもうさっきのことなんて、犬に噛まれた位の気持ちなんだきっと。そうだ、絶対そうだ。うきうきお花畑脳内なのは俺だけだもんね。しにたい。
はー・・・・・
報われねー!!片思いって辛い。
今思えば片思いっていつぶりだろ。自慢じゃないけど、相手に困ったことは無かったから。今まで俺に話しかけてくれてた女の子達もこんな想いしてたのかな。全員に土下座してまわりたくなってきた。
こんな脈もなにもない状態で、俺の恋は叶う可能性はあるのかな。
出来れば諦めてやりたい。こんな奴に、しかも男に惚れられたって迷惑なだけだろ、しかももし結ばれたって世間では後ろ指さされる関係だ。俺の恋は叶わない方がお互いには良いはずだ。
でも、諦められるほど半端な惚れ方してないや。ごめんな。
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