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試合当日
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今日は雨宮の試合の日。せっかくの金曜日の祝日で学校が三連休の休みになったのに、運動部には休みはないらしい。カワイソ。
二日前の電話について昨日 一昨日と雨宮に詰められたけど、無言で貫いた。
「法廷では発言の一つが不利に働くことがある。お前には黙秘権がある。」
こないだ読んだ本のおまわりさんだってそう言ってた!!俺には黙秘権があるんだ!!許してくれ指揮官!!俺の人権を剥奪するつもりか!!!
ってギャーギャー喚いてたら「意味わかんねーことばっかいってんな!」って後頭部を下敷きでスパーンって叩かれて、またそれを見て笑いながらわらわらと寄ってくるお仲間達。今日ばかりは助かったぜ・・・おまえら・・・今この鬼の指揮官と二人にされると徹底的に絞られて、吐け!!って言われるんだから・・・・こいつまじで尋問担当の刑事になった方がいいよ。
俺らの学校で行われる試合。体育館に入るともう各チーム、アップが終わりそうだった。
「あ!!晴間!!」
キラキラした目でこっちにダッシュで近寄ってくる。おーおー、テンションMAXじゃん。
「おっす、ちゃんと来たぜ」
「約束したからそれは心配してなかった!向こうのベンチ、応援席だから。」
指をさされた方をみると、わらわら・・・女子がたくさん。はい、デマシター!
空いてる席を探して適当に座る。女子さんとは若干距離を取る。うっせーからな
座って、カバンを肩から降ろすとまた雨宮がこっちに走ってきた。・・・・なんだ?
「晴間!!」
俺の腕をとって立ち上がらせると、必然的に近くなった顔の距離。・・・ちけーよ。後ろから女子の視線が突き刺さる。そのまま更に近くなる顔。・・・・・え?え?
だけど期待を裏切って顔を通り過ぎて耳元に近づく気配。
・・・・・って、なに考えてんの、俺。
雨宮の口が開いて、吐息が耳にかかる。
そして低い小さい声で
「晴間、今日は
・・・俺だけ 見てて 」
そう言って耳にちゅっとキスをした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああああああの!!!ばかっ!!!!内緒話のように手を口にあててたから、周りにはキスしたことは見えてないけど、・・・と思いたいけど。だからって!!!こんな公衆の面前で・・・・!!!なにハイになってんだよ!おい!お前と違って通常テンションの俺になんてことしてくれる!!
もうボンって効果音がつくくらい、体の中でなにかが爆発したみたいに、顔に熱が。湯気出そう。顔で目玉焼き作れそう。もう本当にどうしてくれんの、嬉しいとか、元々お前しか見てねーよ、とか思ってる俺も、相当末期だけど。
そのまま走って選手のベンチに行った雨宮は途中で振り返って女の子達にウインクしてた。それに一気に黄色の声が飛び交う。自然と周りの人達の俺への視線は雨宮へと移って、俺のこの顔面フライパンな状態は誰にも見られなくて済みそうだ。
そんなとこで気つかって貰わなくたって、いいのに。やることがいちいち細けーよ。まあ、・・ありがとう
でも
・・・・・お前だって、俺だけ見てろっつの。
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