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「………」
『ねぇ、帰っていい?』
しーんと静まり返る数学準備室に響く、僕の声。
一人、何かを悶々と考え込んでいるようだが、僕は眠いんだ。
昼寝が出来なかったから、いっその事、寮の部屋に帰って、夕食まで寝続けたい。
「んあ?…そうだな。聞きたい事は聞けたし。良いぞ。」
『そ。じゃあ、帰るね。』
すとっと椅子から下りて、そのまま一直線に扉へ向かう。
「真白。」
あと少しで扉の一歩手前!…という所で声が掛かる。
『なぁに?』
振り向いて尋ねると、真面目な表情で、
「この学校に、お前の血縁者はいたか?」
と聞かれた。
その言葉を聞いて、思わず笑ってしまった。
「…どうした?笑うような事だったか?」
怪訝な表情を浮かべる先生。
『だって、先生もよく知ってる人だもん。』
ふふっと笑うと、何やら考え込み出した。
そんな先生を見ながら、扉を開く。
そして、閉め際にこう……静かに囁いた。
『…“彩雅の四天王”。有名だよ?葉宮優斗先生。』
その言葉を最後に、部屋を後にした。
ふふっ♪
どんな顔をするか、見とけば良かったかな?
とか思いつつも、早くも思考は大好きな昼寝へと移り行く。
『早く部屋に帰ろぉーっと♪』
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