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18歳以上ですか?
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ふと、目を開くと目の前を蟻が歩いていった。
こんなに小さいのにご苦労なことだ。
蟻を送り届けてもう一度目を閉じる。
全身が痛くてピクリとも動かない。
あぁ このまま死ぬのかもしれない。
しばらく目を閉じていると ふと胃がムカムカとしてきて何かがこみ上げてきた。
あ、やばい。
なんて思うより早く地面に寝そべったまま口から酸っぱい液体が溢れてきた。
「ぉ"、っ…え……」
びっくりするほど間抜けな声だ。
人生初めての寝ゲロがまさか外だとは思ってなかった。
口から溢れ頬を伝う生暖かい液体を感じていると、つられる様に涙まで出てきた。
情けない。 帰って風呂に入ろう。
そして眠って 明日はいつも通り学校に行こう。
明日からもきっと何一つ代わりなんてない生活だ。
たかが レイプされたくらいで死なない。
悲鳴をあげる体を引きずって家へと向かう。
雑に着せられた服のポケットに手を入れてもどこにも財布はないけれど、有難いことに携帯と家の鍵だけは残っていた。
「…月、でかいなぁ。」
誰もいない公園で一人呟いて携帯の小さな画面に納める。
撮り終えてホーム画面に戻って気付いた。
今日が俺の 18回目の誕生日だったということに。
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