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昼休みになってすぐ購買で焼きそばパンとメロンパン、それとコーラを買った。
教室に戻っていつもの席でパンをくわえたとこで視界に入った羽白に気付いた。
「なー、羽白誰か待ってんのかな?」
「はぁ?いや孤立してるだろあれ。なんか絡まれた日からアイツ変わったくね?根暗的な。」
「喋ったら普通だったけどなー。な、誘お。」
「は!?馬鹿だろお前。」
母親お手製の弁当を食べていた田中が大声を出して俺の頭を叩く。
…汚いなコイツ。
「米粒飛んでるんだけど。何が馬鹿なんだよ、お前より成績いいぞー?」
「そういう意味じゃないだろ。なんでこのタイミングでアレと飯食うって思うんだよ。」
「寂しそーじゃん。…あーもうわかった、俺一緒に食ってくるからお前はココで食べとけよ。べーだ。」
「はいはい、じゃあな。」
飽きれたように手を振られる。
どいつもこいつも意気地無しめ。
見た目や第一印象で人の事を嫌うなんて根から腐ってる。
せめて、俺はそんなやつにはなりたくない。
「ちょっとは怪我マシになった?」
「いや、あんまり…眼帯してたから気付かなかったけど外して見たら霞んでよく見えないし…」
「え、それやばくないか?普通に眼球やられてんじゃ…」
「一時的なものかなって…腫れが引いたら病院行く。」
俯きがちに笑うとそう言われる。
あぁ、まただ。
馬鹿だろさっさと病院行けって怒ろうとしたのに口に出せなかった。
俺はコイツの笑顔に弱い。
死ぬわけじゃないし。
「ちゃんと行けよ、失明しても知らないからな。」
「それは辛いなぁ。」
賞味期限切れのパンを不味そうに食べる羽白が、何故か無駄に綺麗に見えたのはなんでなんだろう。
「…いや、まじで。」
「え、…なにが?」
今はまだ わからない。
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