アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ひとりぼっちのワンルーム
-
校門を出て、薄暗い通学路を二人でゆっくりと歩いていく。
最初は森宮がなにかと会話を繋げていてくれていたけど、それも尽きて今は沈黙が続いてしまっている。
カラカラと森宮の自転車の音だけが聞こえる。
「…あ、ここ。」
「これが羽白の家?俺が学校行く途中じゃん。」
「そう。ありがとう、送ってくれて。」
「どういたしましてー、気をつけてな。」
「ん、……?」
また明日、と手を振ろうとしたらピチョンと一滴鼻に冷たいものを感じる。
雨の予報なんてなかったはずなのに。
「うっわ、急に降ってきた…っ」
「とりあえず、一回マンションの中入った方がいいかな…?」
「あー…そうする。」
森宮が自転車を止めて二人してマンションの入り口に立つ。
小雨かと思ったのに、ザーザーと降り出した雨は大降りだ。
この中帰れなんて言えないし…
「降ってきたなー夕立か?」
「この季節にそれはないと思うけど。とりあえず…雨宿り、していく…?」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
ニッと笑う森宮を見て笑顔が写る。
マンションの階段をのぼりながら俺はただ、家で何して話すかな…なんてことだけを考えていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 426