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かくしんぼ。
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次の日、いつも通り学校に来ても当たり前に森宮の姿はなかった。
そういえばいままでも何度か教室にこなかったことがあった。
...指導対象になるのは一度や二度じゃないってことか。
最近の学校生活は森宮のおかげで成り立っていたようなものだから1人になってしまうと何もかも欠けてしまっているようだ。
「…退屈だ。」
窓の外を見て息を漏らす。
俺も、何か成長しなきゃならない。
俺のせいで森宮に2度と迷惑をかけなくて済むように。
まずは…この声や言動に怯えるのを治さないと。
意識したらなるのだから、思い出すとなるのだから。
...それなら、何もかも忘れてしまえばいいのか??
『失敗作』
『今日は外に出ていろ』
『お前に食わせる飯はない』
『息をする資格さえ お前にはない』
今でも時々思い出す。
忘れたはずの、ずっと前のあの感情が。
森宮に…話したせいか。
あの人達のことはどうやって忘れたんだっけ。
確か、それが当たり前だと。
これが当然だと言い聞かせて。
あぁ、それなら。
『レイプや暴力は当たり前のこと』だと、そう覚えるだけでいいのか。
「…案外、簡単だ。」
まだ騒がしい休み時間の教室。
また俺は一つ、自分に隠し事をした。
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