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黙ったまま何も言わない森宮を見て、相当変な顔をしてるんだろうなと自覚する。
…相手が森宮でまだよかった。
早く慣れないと。
もう誰にも迷惑をかけるなよ、俺。
「ごめん、俺さ…」
森宮が何かを言いかけたのを遮るようにインターホンが鳴る。
そういや兄が来るって言ってたからそれだろう。
「あー…兄貴だな。ごめん、帰る。」
「あぁ、玄関まで送る。」
「ありがとー。」
森宮はそう言って何事も無かったのかのようにケロッとして笑うと鞄を持って立ち上がる。
まるで百面相だ。
後をついて玄関まで送ると元気よく扉が開かれドアの向こうに背の高い影が見える。
「夏希。あんまり夜遊びしちゃダメでしょ。」
「はいはい、ごめんって。ほら紹介するからさぁ。同じクラスの羽白。仲良くしてもらってんのー。」
「…羽白君か。」
嘘だ。
「初めまして。俺、夏希の兄です。いつも仲良くしてもらってるみたいで…ありがとう。」
「まー俺が仲良くしてあげてる的な?そーんな感じだけどねぇ。」
「こら。そんな事言ってたら友達いなくなるよ。」
違う、だって。
そんな。
「羽白ー?あぁ、もしかして人見知りかー?コレ愛想だけはいいからさぁ。」
「騒がしくしてごめんね。これからも夏希…と、俺とも仲良くしてね。羽白君。」
「そーいうことで。じゃ、またな。」
頭が痛い、吐きそうだ。
気持ち悪い。
嫌だ、森宮。
「…またね。」
森宮より少し大人っぽい。
恐ろしく整った顔が綺麗に微笑んだ。
その声にも、姿にも見覚えがある。
『あっはは、クソ汚いな。生ゴミみたい。』
忘れられない。
確かに、あの時の。
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