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優しく抱きしめて
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やっと今日から教室復帰だ。
張り切って少し早く家を出る。
これなら教室につくのもいつもより早いし、金曜日の分のノートを羽白に移させてもらえるかもしれない。
「おはよー」
「あ、夏希。今日から復帰?おめでと。」
「ふふん。俺がいなくて寂しかっただろー?」
「いや別に。お前最近あの厨二病とばっか仲良くしてるし支障なし。」
「そーだ。羽白は?まだ?」
そう言われて羽白の席を見るけど姿はない。
来るの俺よりは早いはずなのに。
腹でも壊したか?
「さー。てか、なんであんなんと仲良くしてんの?根暗そうじゃん。」
「なんでって…そりゃ、仲良くなったから?あいつ結構いい奴だからさぁ。お前らも友達なるべきだって。」
「いや、無理無理。眼帯とかつけちゃうし?てかどうみても根暗じゃん、いじめられてるし。」
「…あのな。」
ベラベラと話し続ける友達を睨みつける。
何も知らないくせに、羽白のことを悪く言われるのは許せない。
「見た目で判断すんなよ、羽白の何知ってんの?ろくに話したこともないくせにさぁいじめられてるとか関係ないっしょ、アイツがどんだけ怖い思いしてんのかわかる?第一…」
「…何、まじになってんの。お前おかしいぞ…?」
ほんとだ、俺。
何に怒って…?
「……羽白の家行ってくる。迎えに行って来る!」
「はぁ!?待ってたら来るだろ、おい…っ」
「担任に言っといて!」
わかってる。
俺、なんか最近おかしい。
変にムキになったりこんなにつきまとったり。
おかしいのは俺が一番わかってる。
ほっときゃいいのに。
でも、羽白に会いたくて。
話したくて、触れたくて。
心配で心配でたまらないんだ。
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