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2回インターホンを押しても全く出てこない。
やっぱり学校行ってんのか…?
聞き耳立てても物音すら聞こえてこないし。
なんと思ってるとポケットに入れたままだった携帯が震える。
あー…なんのために連絡先交換したのさ、メール打てば1発じゃん…
はぁ、とため息をついて携帯を出す。
どうせアイツらがちゃかして…
『たすけて』
の四文字。
は、…?
たすけて、って家にいるんじゃないのか?
また誰かにいじめられ…どんだけいじめられるのさ、俺常に傍にいるわけじゃないんだからさぁ…
『今どこにいるの』
『いえ』
家…?
いや、この中じゃん。
まさか強盗でも入られた?
考えてても埒が明かない。
ドアはあかないし窓は格子がある。
羽白が自分じゃ逃げられない状態なら、これ以上チャイム鳴らすのも意味無いし。
『今、家の外にいる。ドア開けれる?』
『もりみやがいる?』
『俺がいる。家の中にほかに誰かいる?』
返信が来ない。
あぁ、イライラする。
さっさと返事…いや、返事もできないような…?
イライラして携帯を握りしめると、ガチャと目の前の扉から音がする。
…けど開かない。
鍵だけ開けたってことか?
向こうに銃構えた男とかいないよな…
悩んでても意味が無い。
羽白、待ってろ。
「…っ、……羽白?」
「た、す…っけ、て…」
途切れ途切れにそう聞こえたが姿がない。
部屋の中は真っ暗だ。
キョトンとして視線を落とすと足元に蹲りカタカタと小刻みに震える 何か がいる。
驚いて屈んでソレをのぞき込む。
覗き込んでから見なきゃ良かった、と少しだけ後悔した。
「…お前、…羽白、だよな?」
前髪で見え隠れする顔は一瞬誰だか分からないくらいに腫れあがり、いくつもの青あざやキズで埋まっていた。
あぁ。
やっぱり、会いに来てよかった。
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