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守るための嘘
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ずっと羽白の背中を撫でていたら、ふと寝息が聞こえてきた。
…寝てる?
「…羽白?」
「ん、…っ……」
このままの体制で寝られたら困る。
…というかここ、玄関だぞ。
そろそろ足も痺れてきたし寝てしまうならベッドに運びたい。
「抱き上げるからな。ちょっと我慢しろよ。」
「……ん、ぅ…」
完全に寝てるなこれ。
あの状況なら寝不足だったのかもしれない。
できるだけ刺激しないように羽白の体を抱き上げる。
俗に言うお姫様抱っこだ。
あれ、…?
こいつ軽すぎないか?
「…飯食ってんのかこれ。」
思わず独り言を漏らしてしまうくらいには軽い。
一人暮らしだから食事も適当になるのも仕方ないか。
ベッドへ寝かせ布団をかける。
よく見ると目の下に酷いクマができている。
1体、何が羽白をこんなにボロボロにしてるんだ。
「…起きたら、聞かせろよ。」
すぅすぅと穏やかな寝息をたてる寝顔へそう声をかける。
辛そうな姿を見ていると俺まで辛くなる。
笑っているとドキドキする。
寂しそうだと、悲しそうだと抱きしめてあげたくなる。
この気持ちがなんなのか
いまの俺はまだ 気付けない。
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