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キミのいない1日
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ギャンギャン騒ぐ友達を見ながら明らかに比率のおかしい焼きそばパンを頬張る。
むしろ焼きそばだ、これ。
「なー夏希、今日厨二君は?」
「だから羽白だって。いい加減名前覚えろよー。怪我治るまで来れないって。」
「怪我って?なに、揉め事?」
「お前ホントそーいうの好きだよなぁ。階段から落ちたんだってさ。残念だったな。」
「まぁそんなこったろと思いましたよ。」
やれやれ、といった顔をする田中を見て笑ってしまう。
そんな事じゃないんだなコレが。
誰にやられたのかいつか分かればいいんだけど。
「あ、そうそう。聞こうと思ってたんだけどさぁ。」
「お?なんだ、この田中様になんでも聞いてごらん?」
「無駄にむかつくな。最近、不整脈が酷くてさぁ。」
「まだ若いのに…」
「ホントそれ。あとそれと関係ないんだけど人の笑顔見てドキドキしたり、いつも思わないのにこう…必死になったりするのって何だと思うー?」
「…お前、まじか。」
田中が持ってた箸を落として口を開けたまま固まる。
いや、何がまじなんだ。
人がこんなに真剣に相談してんのにさぁ。
「まじってまじだけど。」
「それ、まさかあの厨二君に対してとかじゃないよな…?」
「すごいな、さすが田中様。その通りなんだけどさぁ。最近おかしいの。そーんなんばっかで話してても変だし。」
「…なるほどな。それはあれだ。ググってみろ。そのほうが早い。あと不整脈は病気じゃない、安心しろ。」
「え、お前医者か…?」
「お前が鈍感なんだよこのクソ童貞が…っ!」
「それ絶対関係ないだろバーカ!」
なんなんだコイツ。
話しすぎたせいで休み時間もほぼ終わりかけ。
検索するのは次の休み時間にしよう、と怒る田中を宥めながらそう決めた。
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