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犠牲にするもの
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突然開いた扉にビクリと体がはねる。
見上げた先の笑顔に心臓が痛い程に鳴り響く。
何かを言っているけれど耳に入ってこない。
落ち着け、と自分に言い聞かせていると目の前に足が迫ってくる。
ぁ、…嫌だ。
「っ、…ぃ"……」
「…何防いでるの?」
「何でもする、どんな事されてもいい。…だから一つだけお願いがあるんだ。」
「ふぅん。いいよ、なぁに?」
俺に傷があると森宮が悲しそうな顔をする。
心配して気遣わせてしまう。
バレないように、気づかれないようにしてしまえばいい。
「…見えるところに、傷を残さないで。」
「どういう意味?」
「…他の人に気付かれる。お願い、…します。」
「うーんそれじゃ、心からお願いして。」
「お願い…?」
「土下座だよ、バーカ。頭床につけて詫びろって言ってんの。」
「…はい。」
土下座くらいで気付かれずに済むなら安いものだ。
膝をついて手を床につけて息を吸う。
ゆっくりとオデコを床につく。
「…お願いします。」
「頭高いって。殺すよ。」
「っ、…お願い、しま…っす…」
「あっはは、間抜けだ。気持ち悪いね。」
グリグリと頭を踏みつけられる。
頭が床に押し付けられてズキズキと痛むけれどオデコは髪の毛で隠れるから大丈夫。
大丈夫だ。
これくらい平気だ。
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