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そのまま流されるように教室へ向かう。
その金髪の人のお陰で、他の人には声をかけられずに済んだ。
けれど、廊下を歩くだけで少し目線が痛い。
「あの、…俺、1人で歩けるんだけど…」
「ええからええから。羽白めっちゃ絡まれとったやろ?俺の事盾かなんかやと思ってええからさ。」
「…ありがと。」
うまく顔を見れない。
手を引かれるままに教室へ入る。
廊下側、一番後ろの席には森宮と数人が集まっていたけど目線を向けるだけで話しかけることは出来ない。
「せや、羽白おらん間に席替えしたん聞いてる?」
「え…?いや、聞いてない…けど。」
「羽白俺の後ろやねんな。やからずっと休んでるなぁって気にしててんで?席は一番窓際の前から3番目な。2番目が俺。」
「へ、…ありがと。プリント回す時とか迷惑かけてごめん。」
「ええってそんなん気にせんといて!…気になるねんけど、一ついい?」
席に荷物を置きながらじっと俺の顔を見られる。
こうやって並ぶと俺より背がかなり高い。
だから、見上げる形になってしまう。
170近い俺より高い…ってことは、180以上…?
「なぁ、俺の名前覚えてる?」
「ぅ"…」
「あはは、ええんやで!俺3年から転校して来たしなぁ。三上弥生。これから仲良くしてな。いきなり馴れ馴れしくしてごめんな。」
「いや、全然…緊張してたから助かった。」
「ほんま?ならよかった。」
友達がいなくなって。
唯一、森宮とだけ話していたけれどその森宮とも距離が空いてしまった。
一人でいる方が楽かもしれない、それにきっと迷惑をかけずに済む。
けれど人は やっぱり一人は苦手で。
「これから、折角やし仲良くしてな。羽白。」
「ん、…よろしく。三上。」
俺は 心にポッカリと空いてしまった穴を都合よく三上で埋めようとしているのかもしれない。
あぁ、なんて最低な人間なんだ。
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三上 弥生(ミカミ ヤヨイ
大阪からやってきた転校生。
明るく陽気だけれど、周りとはあまり馴染めていない。
特に森宮のグループからは嫌われている。
金髪に赤いピン留めをつけている目立つ見た目。
背は185弱でバスケ部所属。
根っからのお人好し。
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