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軽装の森宮を見て、ふと首を傾げる。
「…一週間分の荷物、どこにあるんだ?」
「えー?靴箱に置いてる。教室に持ってくるの面倒だったしさぁ。」
「なるほど…」
「ちゃんとパンツ10枚くらい待ってきたよ。」
「そんなに持ってこなくても洗濯くらいすればいいのに…」
「あ、…その発想なかったな。」
ケラケラ笑う森宮が靴箱の前で立ち止まる。
…どこにも荷物なんてない。
キョロキョロしてると森宮が靴箱の上へよじ登り始める。
「え"、…え、!?」
「なになに、靴箱の上に置いたんだから登らなきゃ取れないじゃん?」
「…靴箱の上?」
「そ。ここが一番バレないかなーってさぁ。」
「頭いいのか、悪いのか…」
荷物を二人で持ちながら帰り道へと歩き出す。
大きすぎて自転車の籠には入らない。
森宮の目に夕日が写ってキラキラと光る。
…まるで別人みたいだ。
「なに、見とれてる?」
「…いや。夕日綺麗だなって。」
「あー確かに。沈んでても登ってても同じ太陽なんだけどさぁ。見え方違うだけで全然違うものに見えるんだからすごいすごい。」
「森宮、たまに格好いいこと言うよな。」
「それ褒められてる?」
「…多分。」
二人で同じ家に帰る。
あぁ、まるで家族みたいだな。なんて。
夕日に向かって歩きながらそんなことを考えていた。
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