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両手にビニール袋を持って薄暗い道を二人で歩いていく。
遠い空には大きな月。
後ろにはまだ薄く夕日が見える。
「…絶対買いすぎた。」
「籠3つってさぁ、…レジの人もびっくりしてたよあれ。」
「明日に分ければよかったな。」
「んーでもさ、今日食べたいもんは今日買わなきゃね。」
「絶対食べきれないけど。」
「だろーね。」
クスクスと二人で笑う。
お菓子、ジュース、見たことのないアイス。
パスタもソースも野菜も、絶対いらないだろって物まで買い漁った。
羽白に
『いつもはパンコーナーと卵ぐらいしか買わない。』
なんて言われたら見て回るしかないし。
ちらりと横を見ると満足げに笑って歩く羽白がいる。
…それなら、まぁどうでもいいか。
「帰ったら7時前かな?ご飯食べて風呂入って…10時には勉強始めたいね。」
「うん。今日はなんの教科する…?」
「一番苦手な所から責めよっか。羽白は何が苦手?」
「…国語かな。文系が駄目。」
「文系なら得意だからいけるかな。この俺に任せていいよ。」
「ありがと、頼りにしてる。」
そんな話をしながら帰っているともうすぐに家へ着いてしまう。
部屋へ入り荷物を置いてすぐに晩御飯作りに取り掛かる。
早くしないと時間がいくらあっても足りない。
羽白が片手に袋のままのスパゲティとトマト缶を持ってじっと俺の方を見る。
「…森宮。」
「んー?」
「これ、喉に刺さらない…?」
「うん、まず鍋にお湯はろっか。それから色々教える。…羽白、頼むから包丁は触るなよ。」
「…はい。」
首を傾げる羽白を見ながら、多少は料理の知識があってよかったとため息をつく。
夜は長くなりそうだ。
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