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何を言ってるんだ、と慌てて誤魔化す言い訳を考える。
ずっと一緒にいたいなんてプロポーズがなにかくらいでしか言わないし…っ馬鹿かな俺は…
「え、っと…ごめん、言葉のあやというか…」
「…1週間近く一緒にいるのに?」
「は…?」
「ずっとって、…今日から一緒にいるのに…?」
キョトンとした顔で羽白が首を傾げる。
…そういう意味じゃなかったんだけどな。
こう言われると逆に虚しくなってくる。
脈なしってこと、なのか。
「あー…うん、そうだけどさぁ…」
「ずっとって…ずっと?」
「何でもないよ気にしないで。ほら、早く食べなきゃスパゲティ固まるよ。」
「それは困る…」
納得しない顔で羽白が食べ進めていく。
危ない。
これから何日も一緒にいるのに気まずくなったらそれこそ困る。
…もし、仮にこのお泊まり中に好きが抑えられなくなっても絶対に言葉に出したらダメだ。
今は 勉強に集中しないと。
「ん、…ご馳走様。」
「綺麗に食べたね。お腹いっぱい?」
「うん。やっぱり、一人で食べるより美味しい。」
「そーだよね、俺も誰かと食べる方が美味しく感じる。」
「…森宮のおかげで気付けた。ありがと。」
この小さな机で、ずっと一人でご飯を食べていたのだろう。
半額引きのパンや味のない白米。
インスタントの味噌汁と水道水。
誰とも顔を合わせず一人で。
「森宮。さっきの、ずっと一緒にいたいっていうの。」
「え?…だから気にしないでってば。」
「俺も、一緒がいい。でもきっと無理だから、たまにでも一緒でいたい。…森宮の暇な時とかそんな時だけでいいから。」
「…あー、ホント…お前、馬鹿だよなぁ。」
「…悪口言われてる?」
「悪口じゃないけどさぁ、…そーいうこと誰にでも言ってたらダメだから。気をつけなよ。」
「…?ん、わかった。」
コクリと1度頷き、羽白が皿を流しへ持っていく。
男でも女でも構わず惹き付けてしまいそうだ。
俺もその1人で。
思わず触れたくなるような、傍にいたくなるような。
守ってあげたい、笑っていて欲しい。
きっと羽白はそう思わせてしまう。
「そうだ、…返事聞いてない。」
「え?あぁ、…もちろん。出来るだけ暇にしとくからさぁ。俺と遊んであげてよ。」
「うん。…ありがと。」
羽白の全ての初めてが俺になればいいのに。
なんて、欲が出過ぎだろうか。
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