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パチ、と夢から目が覚める。
どんな夢を見ていたのか全く思い出せない。
ふと携帯の画面を見るけれど寝ようと言い出してからまだ30分くらいしか経ってない。
…環境が変わったとはいえ寝つき悪すぎだろ。
水でも飲もう、と体を起こす。
月明かりが丁度羽白の頬へ差し込む。
「…羽白?」
寝息に合わせて上下する肩。
その揺れで光る何かが頬を伝っていく。
寝ながら、泣いてる…?
よく見ると唇が小刻みに震え瞼も揺れている。
夢の中でまでなにかに怯えなくてもいいのに。
ベッドの上へ座りそっと頬へ触れる。
そんなに苦しまなくてもいいんだ。
「羽白。」
「ん、…?」
「おいで。一緒に寝よう。大丈夫、1人じゃないからさ。…寝てる時くらいいい夢見ようよ。」
「…ぁ、…」
寝ぼけたままの羽白が俺の手へ掴まるようにしてベッドへ這い上がる。
潤んだ目が閉じられ睫毛を濡らす。
小さく丸まり俺の腕の中へ入り込むような体制になると落ち着いたのかじっと動かなくなる。
「…おやす、…」
「…イイコで待ってる、…から。」
おやすみ、と言う前に小さな声が聞こえた。
また知らなかった羽白を知ってしまった。
俺は左手で羽白の体を、右手で頭を包むようにしてギュッと抱きしめる。
眠ってしまえば 次はきっと朝だから。
「大丈夫。どこにも行かないからさ。…おやすみ。」
羽白が待っているのはきっと俺じゃないけれど。
それでもいいから。
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