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怖い夢を見た。
四角い部屋にはいくつも椅子がある。
俺は一番近くの椅子に座って次の人が来るのを待った。
待っても 待っても誰も来なくてしばらくして遠くから声が聞こえてくる。
「親じゃなく、子が死ねばよかったのに。」
わかってる。
ごめんなさい、俺が生き残ってしまった。
ごめんなさい。 もう怒らないで。
誰かの手が近付いてくる。
殴られるのだと目を瞑るとその手は優しく俺の頬へ触れた。
「おいで。」
誰かの声が聞こえる。
置いていかないで。
その手を握ってはその先へ進む。
視界がぼやけてよく見えない。
けれど、暖かくて優しい香りがする。
「……す、…」
暖かい 安心する。
1人じゃない。
あぁ、俺。
「……イイコで待ってる、…から。」
だから 嫌いにならないで。
もう 置いていかないで。
優しく抱きしめられる。
好き 好き。
暖かい何かに包まれたまま夢の中の夢へコトンと落ちた。
「…好き。」
何か素敵な夢を見ている。
ずっと、このまま暖かい夢に包まれていたい。
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