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羽白くん特製朝ごはん
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「昨日は結局森みやに作ってもらったから。」
と言って羽白が卵を片手に持ったまま俺を床へ座らせる。
…卵でも投げつけられるのかと思った。
昨日の晩のうちに炊いておいた白米をお茶碗に盛りながら羽白が呟く。
「…森宮。お茶碗、一つしかない。」
「一人暮らしだしな。俺、釜のままでいーよ。」
「釜は擦ったら塗装?が剥がれて死ぬって…言ってた。」
「はぁ?それで剥がれたらこの白米毒だらけっしょ…都市伝説、というか嘘だって。それ。」
「…そうだったんだ。」
釜の中を見つめながら羽白がポツリとそう言った。
いい意味の話じゃなかったんだろうな。
…何を言おうか。
そう思ってると羽白が熱い釜と茶碗を机に二つ並べてドンと置く。
「えっと…?」
「炭水化物。」
「あぁ、…うん。まさか朝ごはんこれだけ…?」
「…タンパク質。」
「卵かけご飯、だよな?」
「完成。」
それぞれに一つずつ卵を乗せると羽白が頷く。
羽白渾身の料理が卵かけご飯、って言うのにも驚いたけどまさかこれで完成じゃないよな…?
「…羽白。味付けは?」
「え。いつもこれで食べてる。」
「はぁ、…!?」
「朝晩はこれ。昼はパン。…あ、でもたまに味噌汁飲む。…いる?」
「味噌汁はいいよ。あのさぁ、…獄中飯よりも酷いってこれ。せめて醤油かけよーよ。味ある?」
「卵とご飯の味。」
「だろーね…」
待ってて、と言って台所から醤油をとってくる。
こんなの毎日食べてたら嫌でも痩せるだろ。
これが普通になってる、ってのが異常なこと。
どうにかして本人に知ってもらわないといけない。
二人分の卵かけご飯に醤油をかけながらこの家に来て何度目かわからないため息をついた。
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