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「い"っ、…えっとその…」
「……?」
羽白が不思議そうな顔で見てくる。
ここで今の嘘だから、なんて言ったら嫌われてるんだって勘違いされそうだ。
好きなんだけど…好きなんだけどさ…
頭の中が真っ白になって何をどういえば良いのか全くわからない。
「森宮…、大丈夫か…?」
「大丈夫、なんだけど…さ。その…さっき言ったの…」
「…好き?」
「そう、それ。あんまり深い意味じゃなくて…」
「…深い意味じゃなくて?」
羽白の眉が少しだけ下がる。
…わかりやすすぎる、何もかも顔に出るなこいつ。
深い意味じゃなくないんだけど恋愛対象として好き、だなんて言ったらこの関係までも崩れてしまう。
俺だって嫌われたくない。
「…ごめん、やっぱり言いにくいなら言わなくても大丈夫。勉強しよ。」
「え、いや…そういう意味じゃないんだけどさ…」
「今日は歴史がしたい。」
「…わかった。」
羽白が二人分の食器を流しに置いて水につける。
…傷つけた、のかな。
本棚を見つめ教科書を探す羽白の背中を見ながらどうするのが正解なのかわからず混乱してしまう。
言う 言わない
どっちも俺にとっては逃げ道でしかない。
羽白のことを考えたら。
「羽白、…ごめん。俺、羽白のことが好き。」
「…好き。俺も森宮の事は…好き。」
教科書を抱えた羽白が振り返って、柔らかくふわりと微笑んだ。
あぁ、今はまだ コレでいいや。
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