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ふわふわと視界が揺れだす。
…ん、…寝れそう。
授業までまだ時間あるし…寝ても、大丈夫。
「羽白。」
…あ、三上かな。帰ってきた?
起きなきゃ。
「…羽白ー?」
「み、かみ…」
「……友達の声くらい聞き分けてよ。俺関西弁じゃないんだけどさぁ。」
「ん…?森宮だ…」
「正解。ちゃんと昼ごはん食べた?」
「…んん。」
突っ伏した状態から少しだけ顔をあげて首を振るとはぁ、と大きなため息が聞こえる。
あ、怒られる。
ハッとなり慌てて顔を上げカバンの中からオニギリをつかみ出す。
ちゃんと 食べなきゃ。
「羽白…?そんなに腹減ってた…?」
「ん"、っ…ぅ…」
「焦って食べたら喉詰めるって。急いで食べなくてもなんも逃げないし…落ち着いてよ。」
「…え、……あ。森宮だ…?」
「何回それ言うのさぁ…」
オニギリにかぶりついたまま森宮の顔を見つめるとクスクスと笑われる。
出されたものはちゃんと食べないと、とふと頭の中が真っ白になってしまった。
…危なかった。
一度口を離してもう一度オニギリを食べる。
甘酸っぱい梅干しの味がする。
「…美味しい。」
「そ?ならよかった。ちゃんと食べないと授業中腹減るしさ。」
森宮が何か話してるのを聞きながら、さっきはあんなに喉に詰まって進まなかったオニギリをぺろりの食べ切る。
誰かいるだけでご飯がこんなに美味しい。
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