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二つ目のオニギリを食べ終えたところで一度息をつく。
寝起きに食べるのは少しだけ苦しい。
「もうお腹いっぱい?」
「いや、寝てたから。」
「そっか。でもまぁ、帰りにでも食べたらいいしさ。」
「ん…そうだ。問題集返そうと思って忘れてた。」
「問題集?」
カバンから朝返し損ねた問題集を取り出して渡すと森宮がキョトンとして首を傾げる。
パラパラとめくって中を見ながらクスクスと笑うと
「別に今日返さなくても良かったのにさぁ。」
なんて言われてしまう。
「え?今日自習もあったし…」
「あー…俺、学校で勉強できないから自習は寝てんの。あんまり自慢して言えることじゃないけど。」
「…そうだったんだ。迷惑になってなくてよかった。」
「そーいうとこ律儀だな。ありがと。羽白使う?」
「大丈夫。」
オニギリを包んであったラップを丸めてると森宮が「もうチャイム鳴るな」と腕時計を見る。
俺も時計を見ようと教室の入口へ目を向け、体が固まる。
「…三上?」
「は?転校生がなに?」
目線の先、笑顔で手を振る三上を見たまま俺は何も言えなくなった。
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