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羽白が俺の後ろを見たまま固まるから俺もうられて後ろを見る。
明るすぎる金色の髪は相変わらず眩しくて好かない。
…ん?
「さーはよ飯食わんとチャイム鳴るよな。森宮ごめんな、ちょっとカバン取らせてくれへん?」
「はいはい、どーぞ。」
「三上、なんで濡れてるんだ…?」
「え?水道で見ず飲もうと思ったら捻りすぎて頭から被ってもうてん。もう、災難やなぁ。」
明らかに頭から被りましたどころじゃないだろ。
風呂上がりか?ってくらいに濡れた髪にはところどころ砂がついてるのも見える。
…誰かにいびられてんのか?
「風邪ひくよ、それ。」
「平気やって。アホは風邪ひかんて昔から言うやろ?」
「いや、でも…」
馬鹿は風邪ひかないんじゃなくて、風邪ひいてるのに気づかないだけ。
って言おうとしてやめる。
転校生とはあまり関わりたくない。
もう席に戻ろうと立ち上がる。
「それよりはい。唐揚げ食べるやろ?」
「ん、…もらう。」
「今日のはでかいからなぁ。口大きく開けな食われへんで。はい、あーん。」
「…っん。ぅ"……」
「だからでかい言うたやん?」
立ち上がって振り向いた後ろ。
大口で唐揚げを食べて幸せそうに笑う羽白を見て、その笑顔はいつもと変わらない。
転校生なんてどうでもいい。
イジメでもなんでも勝手にされてればいい。
でも羽白のその笑顔は俺の 俺が見ていたいのに。
「…羽白。」
「ん、…?」
あぁなんでだろう。
すごくイライラする。
「俺、席戻るね。また放課後。」
「わかった。一緒にご飯食べてくれてありがと。」
「あ、そーや!森宮も唐揚げいらん?」
「…いらない。」
なんなんだろうコレ。
あぁ、…上手く笑えない。
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