アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
深呼吸を一つ。
扉に手をかけ一気に開く。
「…ただいま。」
「おかえり。」
開けた扉の先、羽白がパジャマ姿で手を振る。
何を話せばいいのかわからない。
田中に言われた通り…なら、えっと…
「昨日、帰りに三上に会った。俺顔色悪かったらしくて心配してくれた。」
「え…?」
「だから朝も聞いてくれた。それだけ。…
心配かけてごめん。」
「そっか、…心配してた訳じゃないんだけどさぁ。羽白何も言ってくれないから考え過ぎた。」
「…どこに行ってたか、今は言えないけど。ちゃんといつか言うから。だから今は待って欲しい。」
「わかった。待ってる。」
座った羽白の前にしゃがみ目線を合わせる。
落ち着いた表情の羽白だけど、よく見ると唇が震えている。
…ごめんな。羽白。
『脅されてるとか?』
昼間の田中の言葉を思い出す。
今はまだいい。
いつか、教えてくれたらそれで。
馬鹿だ。
なんで もっと早く聞いてなかったんだろう。
手遅れになる前に 聞いておけばよかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
107 / 426