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考え事
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夏side
新学期が始まり気分が明るくなったからか
ふっとちょうど一年前くらいの事を思い出していた。
すると、遠慮がちに制服を引っ張られる
「あ、桜!どうしたの?」
「夏、随分と難しい顔。何かあった?」
「ん?あぁ、一年前のこと思い出してたんだよ」
そう言えば、桜は " …ならいい " と
あまり納得していないようだった。
その後、タイミング悪くチャイムが鳴り
それまで喋っていた人達はすぐに席に着いた。
「夏。こっち」
放課後、桜に呼ばれて屋上に着くと
急に抱きついて来て、驚いて一歩後ろに下がる
「なに?どうしたの?」
「……っ」
桜は口下手なのか、普段から無口で
喋っても少ししか喋らないから分かりにくい時がある
弟とも上手くいっていないと言うのも
こう言うところからなんだろうなと思っている。
「大丈夫?」
「うん」
そう言ってそっと離れて下を向く。
どうやら、拗ねているようだ。
しかし、なにに拗ねているのか分からなかった。
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