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桜の弟。2
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桜side
弟、雪の精神異常は家庭環境のせいだった。
毎年この時期に酷くなるのだが、
今年は彼氏が出来たと報告を受けていたので
酷くならないだろうと思っていた。
どうやら、その考えは甘かったようだ。
現に、雪は壊れかかっていた。
「雪、見るな。お前の敵じゃない」
「お兄ちゃん…、お兄ちゃんっ……」
悲痛な声で僕の事をしきりに呼んでいる。
視界を遮るように目隠しを巻き、
耳元で病院に着くまで囁き続けると大人しく眠った。
そのあとは、雪専属の医者に任せた。
脱水、栄養不調などの体調面と
喧嘩や、暴れた時にできた傷などの身体的な面の
不安定な精神のケアが必要なようだ。
「今回は、長引きそうだよ〜」
「そうですか。有難う御座います」
「気長にね〜。お兄ちゃんの方も、何かあったら…」
「はい」
僕も時々見てもらっている先生なので
安心して雪を任せられるし、
僕自身にも、悪い影響が出ることはなかった。
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