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文化祭 1
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夏side
文化祭の季節になった…。いくつになっても、この時期の騒がしさは好きになれない。桜もきっと同じだろう。
そんなふうに思いながら学校に行くと、驚く事に
桜はいつもよりも楽しそうにしていた。
理由を聞いてみると、文化祭が楽しみらしかった…。
「てっきり騒がしいのは苦手だと思ってた…」
「僕も、サクは苦手だと思ってた…」
僕たちの反応を見た桜はキョトンとした表情をして、
それから、クスクスと笑うと僕たちにいった。
「雪に会えるから…」
それを聞いて思った。桜は間違いなくブラコンだ…。
文化祭も、"文化祭自体" が楽しみなわけではなく
"弟の雪くんに会えるから" 、楽しみなのだと。
文化祭の出し物は、お化け屋敷になったが、桜は
クラスに貢献する気は無いようで、一人で勝手に絵を描き看板を作り始めてしまった…。
「桜。いくら何でも勝手にやったら、ダメ………え?
……これ、桜が一人で描いたの……?」
「うんっ」
そこには、ハイクオリティーなお化け屋敷の看板があり
クラスメートも、桜の看板を見た瞬間に感嘆の声を上げる
誰からも文句の声は聞こえて来なかった…。
結局、そのまま桜の看板が採用されて看板の係から文句が出ないかと言う心配も、杞憂に終わった。
「桜、絵上手いね…。驚いたよ」
「雪のが上手なんだけど」
そう言った桜の顔は、ドキッとするほど
優しい笑顔を浮かべていて、心臓が高なってしまった。
もちろん、こっそり隠し撮りをして携帯の待ち受けにした
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